5月 | 2018 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

神仏と人を繋ぐ葵

5月もあっという間に終わりに近づきました。
5月というと、京都では葵祭が催されます。京都の風物詩ですね。
葵祭
なぜ「”葵”祭」というかといえば、賀茂別雷神社(上賀茂神社)と賀茂御祖神社(下鴨神社)の2つの神社の総称である「賀茂神社」の神紋が葵であるからとの理由です。
神話によると、遥か神代の昔に上賀茂神社の御祭神である賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)は、ご降臨を希った母神の玉依比売命(たまよりびめのみこと)の夢枕に立たれて、「葵を飾り、馬を走らせ、祭を行いなさい。」とのご神託を下されたそうです。そのお告げに従って神をお迎えする祭を行ったところ、賀茂別雷命がご降臨されたと伝わっています。それゆえ、「葵(あふひ)」は古くから神と人を繋ぐ草としてお祀りされているのです。
葵の御紋と言えば、徳川将軍家の「三ツ葉葵」が有名ですが、実は葵の寺紋を用いておられる寺院があるのです。それは信州の善光寺です。
【善光寺 山門】
善光寺1
【善光寺 本堂】
善光寺2
本堂の画像には門幕に立葵の寺紋が見て取れると思います。善光寺がこの立葵の寺紋を用いるのは、創建した本多氏(本田氏とも)が賀茂神社の社家一族だったからだと言われています。徳川家の祖である松平家も賀茂神社の社家一族だったため、葵紋を用いると言われています。
善光寺の御本尊は西暦642年に現在の地に遷座されたと伝わっています。神仏をお祀りする役目を担った社家の人々が神仏と人間とを「葵」でつなごうと考えられたのだろうと、私は想像しています。
葵祭は華やかな衣装に目が行きがちですが、神代から続く神と人とのつながりを現す儀式なのだと、葵祭の行列を垣間見て感じました。

技術の伝承

5月が半分過ぎてしまいました。五月病になっておられませんでしょうか?個人的にはてんてこ舞いな状況で五月病にはなっておりません。


さて、ゴールデンウィークは1日だけ個人的なお休みがありましたので、清水寺へお参りに行きました。
先日ご紹介した西国三十三所の集印軸は弊社の先代が満願した一幅ですが、折角なら私もということで「思い立ったが吉日」、巡礼を始めました。大変な時間が掛かりそうですが、のんびりと続けて行こうかと思っています。
洛陽(京都市内)にも三十三所観音霊場があります。西国霊場の写しで、後白河法皇の際に成立したと言われています。観音信仰は古い時代から続いていたのだなぁ、と感じる次第です。
清水寺
写真の通り、現在「清水の舞台」で有名な本堂は再建工事中です。釘を1本も使わずに多くの参拝者や伽藍を支えている構造を考えた古の人々は実に賢かったと思います。
こうした日本の古からの技術を見るたびに、私はこうした技術が今後も伝承される必要性を感じるのです。現代は何もかもが便利になり、特に機械で色々なことができるようになりました。迅速性の面では機械で処理することは優れているかもしれません。しかし、永く遺すという面においては、脈々と伝承されてきた技術によって為される物の方が優れているように感じます。
若い世代の人々が、日本で伝承されてきた技術の再評価する素地を残すため、弊社も手作りにこだわってお念珠を製造して参りたいと考えています。
雑多な感想ですが、本日は私の所見をお話しました。

「こころ」を豊かに

5月になりました。暑い日が来たかと思えば、涼しい風を感じるような日も来て、春と夏を行き来する日々が続いています。


先日、NHKの「ブラタモリ」という番組を観ていましたところ、銀閣近辺を散歩されていました。この番組の特徴は地形や地層好きのタモリさんが解説をする専門家よりも先に答えを言ってしまうところです。地層好きの私も興味深く拝見していました。
銀閣の中で、足利義政公が生活空間とされていた「同仁斎」で、付書院の前の障子を開けるとそこが「自然の掛軸」のように見えるという解説がありました。自然を部屋の装いの一部として取り入れるという発想が非常によくわかるお話でした。
【建仁寺の付書院】
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【建仁寺の格子窓】
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これを「美しい」と感じるか否かは、各自の心次第です。それが良いとか悪いとかいう問題ではありません。
以前お話を致しました「『こころ』と『おこない』の往復」という考えを踏まえると、いろいろな物や景色を目にすることで、その鑑賞者の「こころ」が豊かになって行くのだと私は考えています。
連休中に各地に赴かれる方も多いと思います。自然を取り入れた日本の美しさを探してみるのも楽しみの1つかもしれません。そして皆様の「こころ」を豊かにして頂ければと思います。有意義な日々となることを願っております。

※このブログは、多くの方々に念珠、仏教、京都に関心を持って頂くことを目的として、週に1回程度の頻度で更新して参ります。

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