10月 | 2019 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

京都三弘法を歩く

雨が続きます。暑さが和らぎ、秋の気配を感じるようになってきました。
巡礼の代表と言えば「四国八十八か所」、通称「お遍路さん」です。巡るのは時間とお金の算段がつかず実現できておりません。江戸時代にお遍路へ行く巡礼者が旅の安全を祈願して京都市内の弘法大師様をお祀りする三寺院を巡る風習がありました。「三弘法(さんこうぼう)」といいます。京都の他に名古屋などにもそういった風習があるそうです。
今回、京都三弘法霊場会の主催で「歩こう!三弘法」という企画がなされ、私はその会に参加して参りました。
朝8時30分に東寺さまの御影堂(仮堂)に集合して、そこから仁和寺さまへ、そして神光院さまへと徒歩で巡るという行程でした。当日は天候にも恵まれ、歩くのには最適な気候でした。
【東寺を出発】
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【昼に仁和寺へ到着】
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【最後に神光院へ】
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神光院さまに到着したのが15時40分ごろでした。各寺院の僧侶の方々の先導と解説を聞きながら、弘法大師様の御尊像を拝ませていただきました。
いつもは車や自転車などで通り過ぎてしまうところを歩いてみると、気付くことが多かったです。何よりも、大きな寺院である三弘法のお寺様をじっくりと歩きながら拝ませていただけたことは有難い限りでした。万歩計を見ると3万歩ほど歩いておりました。普段は1万歩ほどですので、普段の三倍ほど歩いたことになります。体力的には疲れましたが、弘法大師さまの御尊像を僧侶の方々、そして参加者の皆様方と拝むことができて気持ちが良い巡礼でした。

先ず隗より始めよ

台風十九号は再び日本列島に甚大な被害をもたらしました。被害を受けた方も少なからずおられることかと存じます。何より皆様方の御平安をお祈り申し上げます。
秋が訪れているように感じます。柿がなっていました。
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何年前から行われているのか不明ですが、弊社では毎年「地蔵流(じぞうながし)」という先亡者供養会を毎年行っております。開眼して頂いた地蔵菩薩さまの印判を水に溶ける紙に押印し、それを川に流すのです。(川に流すことに関しては許可を得ております。)
私は今年、個人的に外国人留学生と交流する機会が多く、先立っても中国人とフランス人の留学生と一緒に比叡山にお参りに行きました。日本人の友人とお参りに行く感覚で私は赴いたのですが、彼らは私が般若心経を読経するとそれに合わせて読経したのです!!平素から要らぬ老婆心を発揮する私は行きの道中で経本を見せながら「こういうお経があって、こういう意味があるそうですよ!」と解説をしてはいましたが、まさか一緒に読誦してくれるとは思いもよりませんでした。日本人と一緒にお参りした時には感じ得なかった衝撃でしたので、正直に驚きました。
地蔵流へは弊社に有縁の方々が参加して下さっています。今年は台風接近の最中でしたので、大雨と暴風の中での開催でしたが、何とか押印した地蔵菩薩さまを流すことが出来ました。今回の地蔵流へ参加して、弊社はより一層努力しなければならないと感じました。
弊社に有縁の方々ですので、信仰心が強い方々の集まりと思っておりますが、先に挙げた留学生たちの真摯に祈る姿勢とは少し違った印象を受けました。長年続いていることの惰性なのか、主催者の人徳の無さなのか、真相は分かりませんが、日本人と留学生たちの違いを目の当たりにして切迫感を感じました。
祈りとは強制されるものではありませんが、祈るのであれば真摯な姿勢が必要であり、それを決して忘れてはならないのだと私は考えます。「先ず隗より始めよ」の言葉通り、身近な方々から手を携えてお祈りして参ろうと感じた法会でした。

十月を迎えて

十月を迎えました。別名は神無月です。
なぜ「神無月」というのでしょうか?一説では日本国中の神様が出雲にお集まりになり、ご不在なので「神無月」というそうです。また別の説では「無」は「の」の意味であり、「神無月」とは「神の月」と解釈できるものだという考え方をします。
とにもかくにも、昔の人々は生活の中で「神」を感じていました。それが月の名前に現れているのです。「神」と言っても実際には身近な自然現象を拝んでいたのです。
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海を臨みながら日の出を見ると、多くの先人が手を合わせた意味が少しわかります。日々自然に感謝して毎日を過ごしていきたいと感じました。

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