8月 | 2019 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

観音様のご慈悲~戸津説法拝聴~

8月も本日で終了です。今年は暑くもありましたが、同時に豪雨の多い8月でした。
昨年もご紹介しましたが、天台宗では毎年8月21日から25日に掛けて琵琶湖畔の東南寺(とうなんじ)というお寺で戸津説法(とづせっぽう)という法華経を高僧が説く会が開かれています。(今年の様子はこちらをご覧ください。)
本年の説法師は京都府亀岡市の穴太寺のご住職の穴穂行弘大僧正様でした。穴太寺は本ブログでもご紹介したことがある通り、西国観音霊場の第21番札所です。観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五)を説法された第4日目に伺うことができなかったのが残念だったのですが、他の日のご説法を拝聴して、本年も新たな発見がありました。
穴穂大僧正様は長い歴史のある穴太寺を護ってこられたこともあり、受け継いだものを後世に引き継ぐということに注力されておられることが分かりました。特に昨年の台風に際して、事前に手入れをしていた境内の木々はお堂に影響を与えることは無かったけれども、大丈夫だろうと思っておられたお庭の木が塀を壊してしまう結果となったことを反省しておられました。「物が壊れる」ということを残念に思っておられる面もあるかと思いますが、それ以上に歴代のご住職様への申し訳なさというものを感じておられるように思いました。脈々と引き継がれてきたものを護っていくことは大変なことなのだと感じました。
【今回の記念色紙】
19336
お説法の5日間の天候は大雨が降ったり、一転して快晴であったりと目まぐるしく変わりました。ただ、例年に比してそれほど強烈な暑さを感じなかった5日間でした。このお説法の天候に触れ、私は観音経の一節を思い出しました。「澍甘露法雨 滅除煩悩焔(観音さまのお慈悲は甘露の法雨となって降り注ぎ、私たちの燃え盛る煩悩の火焔を滅して除いてしまう)」という一節です。観音様にずっと仕えてこられた穴穂御住職様のご功徳が天候に現れたのかなぁ、と感じました。
法華経を学ぶというのは極めて難しい大変なことでありますが、こういったお説法を聞くと、法華経は難しいものではなく身近なものなのだと感じました。

飯室谷不動堂・地蔵盆と放生会

本日、近畿地方は雨天でした。暑さが少し和らいだように思います。
本日、私は比叡山飯室谷不動堂で行われた地蔵盆と放生会にお参りしました。雨天でしたので、回向三昧堂の中から法要が行われました。
【回向三昧堂】
19160
【回向三昧堂の中から地蔵堂を臨む】
19162
【地蔵堂】
19161
法要の後に雨が落ち着くまでの間、大阿闍梨様から法話がありました。お地蔵様という仏様は私たちの傍らに寄り添って下さる仏様ということです。そして安全な方へと私たちを導いてくださるそうです。この法話を拝聴して、不動明王様やお地蔵様という仏様は私たちの安全を守って下さる優しい仏様なのだなぁ、と感じました。ご利益(りやく)というと「何も起こらない(無事)」ことなのだと思いますが、この「無事」であることがどれほどありがたいことなのかを改めて感じました。現在でも道を歩いているだけなのに突然車に轢かれて亡くなるなどということが実際に起こります。家から出掛け、その日無事に帰宅できることがどれだけありがたいことなのか、感謝しなければならないと思いました。
【放生会で稚魚を放流した池】
19159
その後、私たちが日々いろいろな命を頂いて生きていることに感謝し供養するための放生会が行われました。鯉の稚魚を池に放流しました。大阿闍梨様のお話によると全ての稚魚が生き残るわけではないそうです。鳥に食べられたり、池の中での競争に生き残れなかったりする稚魚もいるそうです。ただ、体が小さくとも果敢に餌に飛びついていく稚魚は生き残っているそうです。生きるために一生懸命であることが大切なのだと教わりました。
【御牘】
19158
御牘(おふだ)を頂いて帰宅しました。日々生きていることに感謝しなければならないと感じたお参りでした。

他国の人から見た日本の習俗

炎暑の中、皆様体調はいかがでしょうか?
お盆の時期を初めて日本で過ごした中国人の友人に「日本の仏教は特殊ですね。」と言われて、少し驚いてしまいました。普段はあまり熱心な信仰者ではないような人々が突然地元に帰ってしまって、彼の住んでいるアパートは彼くらいしか残っていないのではないだろうか、と思ったそうです。地元に帰った理由は「お盆休み」ということで、「これは仏教の行事ではないですか!?」と不思議そうな連絡をしてきました。
確かに不思議ではありますが、日本人の仏教への接し方について、私は以前お示ししたようにカレーライスやナポリタンと言った日本で生み出された料理への接し方に似ていると感じています。
20190209_112248
彼と先日学業増進を目的に北野天満宮へ行きました。天神様へのお参りの後、参道を歩いて参道脇の東向観音寺へと向かいました。
20190209_112603
東向観音寺は菅原道真が太宰府で自ら刻んだ観音像をご本尊としています。神道である北野天満宮の中に仏教寺院があることに彼は極めて驚いていました。彼の驚きの原因は「神道と仏教がよく共存できたなぁ」ということのようでした。明治時代より以前は仏教と神道は厳密な区別もなく、ふんわりとした形で一緒に信仰されており、今のように仏教と神道が大きく区別されることの方が新しい考え方なのだということも伝えました。
私達が当然のことと思っている日本の文化や習俗は世界の人々にかなりの驚きをもって受け止められているのだということが今回よくわかりました。いろいろな人とボーダレスに交流していくことの大切さを感じました。

目に見えぬ物への感謝

お盆が近づいてきました。
弊社には幼いお子さんを育てながら勤務してくれている社員がおります。その内の1人のお子さんがディズニーの『美女と野獣』のヒロインのベルが大好きだという話を聞きました。私も嘗てアニメ版の『美女と野獣』を観た経験がありますが、記憶が曖昧でしたので、2017年に実写化された映画を観てみました。
お話の要旨は、「容姿にかかわらず”美しい”心を持つことの大切さ」を説いているものでした。確かに人は目に見える物事で判断してしまいます。それが至極当然な姿だと思います。しかし、それではいけない、ということを訴えかけている映画でした。
この映画を観て、現代の我々は目に見える物に囚われすぎていて、目に見えない物への感謝を忘れてしまっているのだということを感じました。目に見えない物とはすなわち「列祖への感謝」であります。今私たちが生きているのはご先祖樣方が居られたからこそなのです。勿論直接会ったことのないご先祖様は沢山居られますが、それでもそういったご先祖樣方への感謝を忘れてはならない、と感じます。
お盆を目前にして「目に見えぬ物の大切さ」を痛感した映画鑑賞となりました。

合掌の心

大変暑くなりました。いかがお過ごしでしょうか?
手を合わせることは感謝の気持ちとして大変大事なことだと思います。食事の前後や人にお礼をいう時など、よく手を合わせることがあります。
こういった手を合わせることも、幼いころの教育や習慣が大切なのだと思います。先立ってお世話になった信貴山朝護孫子寺の成福院様では幼稚園児のお泊り保育で貫主様が「右手が”がっ”、左手が”しょう”、合わせて”ポン”、いただきます」と教えておられることが分かりました。
【ご指導の様子】
ご指導の様子はこちら
【毘沙門天王様】
20190802073254_00001
多くの人が無意識にしていることですが、こうやって教えてもらえると子供にとっては有難いなぁ、と感じました。「三つ子の魂百まで」と言いますが、幼い頃に良い教えを受けることの大切さがわかった気がします。

安田念珠店

〒604-8076 京都市中京区御幸町通三条下ル海老屋町323

TEL:075-221-3735 FAX:075-221-3730

E-mail:yasuda@yasuda-nenju.com

受付時間:平日(月~金曜日)AM9:00~17:30まで