7月 | 2019 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

般若心経奉讃文

祇園祭も山鉾巡行が終わり、四条寺町に御祭神様が御旅なさっておられます。
六月に毎年比叡山の回峰行者の方々が「京都切廻り」をなさいます。京都の神仏を巡り拝む行(ぎょう)です。千日回峰行の場合には「京都大廻り」といって、2日掛けて廻られますが、例年は1日で廻るものを2週連続でなさいます。
その道中では寺院だけでなく、神社でもお勤めをされます。八坂神社や北野天満宮も含まれます。多くの場合、般若心経をお唱えされます。「何だか不思議だなぁ」と思ってはいましたが、あまり深く考えては居りませんでした。
【京都大廻りの様子】
先日、信貴山にお参りした際に、『信貴山毘沙門天王勤行式』という経本を買い求め、電車の中などでパラパラと読んでおりました。そこで初めて「般若心経奉讃文」というものを知りました。真言宗でよく唱えられるものとのことです。
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抑も般若心経と申す御経は、文字の数僅か二百六十余文字なれど釈迦御一代の経即ち天台­経、毘慮舎那経、阿含経、華厳経、方等、般若、法華経等一切七千余巻より選み出された­る御経なれば、神前にては寶の御経、佛前にては花の御経、況して家の為、人の為には祈­祷の御経なれば声高々と読み上ぐれば上は梵天・帝釈・四大天王・日本国中大小神祇・諸天善­神・諸大眷属に至る迄、哀愍納受して我らの所願を成就せしめ給うべし。謹んで読誦し奉­る。
目から鱗でした。「神前にては寶の御経、佛前にては花の御経」とは知りませんでした。昔は御朱印(納経印)を頂く際に、寺院でも神社でも般若心経を写経して納めていたと聞いたことがありましたが、そうか般若心経とは神仏双方で用いることのできる万能なお経なのだと分かりました。
先立って、高僧の方と共に般若心経をお唱えする機会がありましたが、深く考えず読誦してしまい何とも申し訳なかったなぁ、と反省いたしました。仏様の教えを色々な所から学べるのはありがたいことです。神仏に感謝すると同時に列祖への感謝も忘れずに居たいと思いました。

「まことのこころ」を

雨が降ったり、曇ったりとなかなかスッキリしない天候が続きます。ただ、だんだんと暑くなってきました。
夏に涼むための団扇を毎年円覚寺様から頂きます。そこには青松軒老大師様揮毫の絵とお言葉が印刷されております。
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今年の団扇は「月 天にあり」でした。布袋尊が月を指し示す絵が添えられています。
これは「指月の譬(たとえ)」という禅の教えが出典だと思います。「仏の教えとは何ですか?」「人が生きる意味とは?」などといった大きな命題を問おた時、賢人が月を指さした、という逸話があります。普通の人は賢人の「指」を見てしまうけれども、大切なのは指し示した「月」なのだよ、ということを教えてくれています。
お経やお説教などに触れ、また立派な高僧と接するなど、普通の人はお経や高僧に対しての信奉を深めます。しかし、大事なのはそういったお経や高僧が説く「仏の教え」なのだ、そこを忘れてはならない、ということを教えてくれているのです。
一昨年の団扇には「見えなくとも そなえたい まことのこころを」とありました。世の中の真理など、肝心な部分である「まことのこころ」をしっかりと捉え直すこと。この夏に月を眺めるたびに「まことのこころ」の肝要さを意識したいと思った贈り物でした。

信貴山毘沙門天王御出現大祭

七月に入ってやっと梅雨らしい天候になりました。
私は信貴山毘沙門天王御出現大祭にお参りするために7月3日に信貴山朝護孫子寺へ行きました。
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聖徳太子の戦勝祈願の折に毘沙門天王が寅年、寅日、寅の刻にご出現されたことに因んで、毎年7月3日の寅の刻(午前3時~午前5時)に行われています。
午前3時の法要ということで宿坊に泊めていただきました。
【今回お世話になった成福院さま】
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毘沙門天王さまのお誕生日のお祝いといったところでしょうか?午後8時ごろから朝護孫子寺の3つの塔頭、そして本山を挙げて護摩供養や大般若祈祷など様々な法要が執り行われていました。
【開運橋から最初にくぐる鳥居】
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【成福院さまにつながる参道】
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【日が暮れてから本堂に繋がる参道】
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【本堂で年に一度開扉される御本尊様】
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【午前0時ごろに千手院さまから本堂へのお練り】
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私は結局一晩中、信貴山のいろいろな所へ行って、様々な法要を垣間見ました。夜通しの法要というのは初体験でしたが、毘沙門天王様のお誕生日を盛大にお祝いしているようで楽しく過ごしました。
勝ち運がつくなどいろいろなご利益があるそうですが、ご利益云々より個人的には開扉されたご本尊様を眼前で拝することができたことがありがたいと思いました。毘沙門天王功徳経にある御姿を為さっておられて、菩薩さまや如来さまとは違った力強い印象を受けました。
御本尊様を拝して、個人的には安田念珠店のお蔭を以ていろいろなお寺様にお参りできることに感謝の念を持った一晩でした。

安田念珠店

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