6月 | 2018 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

写経のススメ

6月はもう終わりです。雨が降ったり、暑かったりと、体の調子を整えるのに苦労されておられる方も多いかもしれません。


私は御歳を召した多くの方々とお話する機会をいただくことが多いのです。そういう方々は言葉通り「矍鑠(かくしゃく)」とされておられ、私の方が年齢が若いのに、私の方が元気が無いようにさえ思えてしまいます。
そういった方々に共通していることは、朝は決まった時間に起きて、仏様のお世話をなさったり、お写経をしたりなさっているということでした。1人や2人ではなく、私の出会うほぼすべての御歳を召した方がそういったことを為さっておられました。そこで、私も「騙されたと思って」写経をしてみることにしました。
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一般的には「般若心経」を写経されることが多いですが、観音霊場を折角巡っているのだからと考えて観音経を写経することにしました。分かってはいましたが、観音経は長いお経なので、時間は1時間強ほどかかります。
最初はヤル気があるのです。ただ、徐々に「しんどいなぁ。」とか「やめてしまおうかなぁ。」とか思ってしまうのが正直なところです。それが、1度目すべて書写を終えると達成感があります。何度かやっていると、途中で「しんどいなぁ。」とか「やめてしまおうかなぁ。」と思わなくなってきます。それよりも、「目の前の一文字をきれいに書こう。」という気持ちが強くなってきます。傍から見ると1度目も5度目もやっていることは同じですが、実際にしている本人の気持ちは全く違うのです。
お写経に限らず、何事も続けている間に行動に内実が伴ってくるように感じます。「三日坊主」にならないように何事も続けて行くことが大切なことだと、お写経をしてみて感じました。そして、仏様から少しでも元気を頂けるようになりたいと思います。

西国霊場巡り(その2・若狭国から播磨国へ)

私は先週、色々な所へ行きました。一転今週はあまり出かけていません。意図したわけではないのですが、何だか不思議な気がします。


先週土曜日、舞鶴へ行く予定があった私は、待ち合わせの時間より早くに東舞鶴駅に到着し、松尾寺に参拝いたしました。
【松尾寺 本堂】
松尾寺本堂
本堂は青葉山の中腹にあります。できることなら青葉山を登山して山頂付近にある松尾寺の奥之院まで行きたかったのですが、時間の都合で諦めて、本堂と大師堂にお参り致しました。
本年は西国霊場草創1300年を記念してご本尊の馬頭観音様の御扉が開扉されておられ、お目に掛かることができました。一般的に観音様は優しい表情をされておられますが、馬頭観音様は忿怒の御姿をなさっておいでです。いろいろな御姿に変化(へんげ)なさる観音様ならではだと思いました。
【サルノコシカケ】
サルノコシカケ
駐車場には大きなサルノコシカケがありました。参拝者の間では有名なもののようで、他の参拝者の方に教えて頂きました。とても立派です。


翌17日には姫路の書寫山圓教寺へお参りしました。当日は西国霊場草創1300年記念の月参り巡礼法要が本堂である摩尼殿で行われました。私もその法要に参列致しました。
【摩尼殿】
摩尼殿
【ご本尊の如意輪観音様】
圓教寺ご本尊
写真撮影可であった為、ご本尊の如意輪観音様を拝写致しました。目の前で拝すと壮大でした。何か包み込まれるような感覚を覚えました。信仰というのは、こうした気持ちから生まれてくるのかもしれないと、思いを馳せました。


短期間ですが、公共交通機関などを用いてお参りに行ける札所はお参りできました。
【現在の納経軸の状況】
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お参りできていない札所もまだまだ多くありますが、気長にお参りしていきます。


「南無観世音菩薩」

西国霊場巡り(その1・摂津国)

大阪府北部を中心に昨日、大きな地震がありました。皆様、ご無事でしょうか?被害に遭われた方、電車に閉じ込められた方、大変だったと予想致します。何よりも皆様の御平安をお祈り申し上げます。
昨日は18日。観音様の縁日でした。お釈迦様の説法のご様子を「獅子吼(ししく)」と言います。獅子が吼えるように、大衆を恐れることなく説法する様子からこうした形容詞が生まれたそうです。大雨が降ったり、雷が落ちたり、それから地震が起きたりすると、昔から天地が仏さまに代わって何か訴えていると考えられてきました。昨日は、何を訴えておられたのでしょうか?


私は6月に入ってから、西国三十三観音霊場を巡っています。廻り始めると、ドンドンと廻らなければ気が済まない性分なので、色々な用事に併せて、早目に自宅を出立して各札所をお参りするようにしています。今週はその模様を2回に分けてご紹介します。
先週訪れたのは、中山寺です。阪急電鉄の中山観音駅から歩いてすぐの場所にあります。
【寺碑】
堂碑(中山寺)
【山門から本堂を臨む】
山門より(中山寺)
【本堂】
本堂(中山寺)
【五重塔】
五重塔(中山寺)
【本堂&五重塔】
本堂&五重塔(中山寺)
【大願塔】
大願塔(中山寺)
駅から歩いてすぐの場所にあり、エスカレーターやエレベーターが各所に付いていますので、どんな方でもお参りができる寺院だと感じました。というのも、中山寺のご本尊である十一面観音様は「安産・子授けの観音様」として有名ですので、妊婦さんや乳母車を押した方が多く参拝されるからなのです。豊臣秀吉が中山寺の観音様に祈願をして、豊臣秀頼が生まれたとの言い伝えがあります。
次にお参りしたのが勝尾寺です。こちらは阪急の北千里駅からバスで移動しました。
【前景】
前景(勝尾寺)
【本堂】
本堂(勝尾寺)
【多宝塔】
多宝塔(勝尾寺)
勝尾寺は名前の通り、「勝ち運のお寺」ですので、スポーツ選手など勝負事に携わる方のお参りが多くあります。
まさに山の中のお寺ですので、自然が豊かな場所でした。
このお寺の奥の「二階堂」というお堂で、浄土宗の開祖の法然上人は浄土宗の開宗の戒を得たと言われています。駅からバスでお参りするだけで「大変だ」と思ってしまった私は、ここまで(恐らく)歩いて来られた法然上人を思い、自分の恵まれた境遇と法然上人のご苦労を予想しました。歴史に名を残す方は、我慢強く精進されるのだと思って、自分自身も頑張らねばと思いました。


お参りすると、お寺に応じた参拝者の特色をみることができます。安産・子授けの観音様はお参りに行きやすく、勝ち運の観音様は山の中へ苦労してお参りに行かねばなりません。得たいご利益に応じてお寺も立地しているように感じました。
次回は若狭国から播磨国へのお参りをご紹介致します。

三室戸寺参拝

6月のお花と言えば「紫陽花(あじさい)」です。昨日は梅雨の合間の晴天でした。
西国霊場巡礼の一環で、昨日私は第10番札所の宇治市にある三室戸寺(みむろとじ)へ参りました。三室戸寺は「あじさい園」が有名です。
【山門】
山門
【堂碑】
みむろどう
【本堂】
本堂
【本堂の裏から】
本堂裏
【三重塔を遠くから】
三重塔遠影
【三重塔を真下から】
三重塔
【山門後ろからあじさい園を臨む】
紫陽花
今年の紫陽花の見ごろはもう少し後のようです。恋人と一緒にお参りし、ハート形の紫陽花を見つければ恋が叶うそうですよ。(詳細はこちらの記事をご覧ください。)
修行をした方に直接お目に掛かる機会はそれほど得ることができないものです。しかし、多くの方が修行をなさった地、すなわち「霊場」を訪れることでそういった方々の目には見えない「パワー」に接しているような気がします。上述の「恋が叶う」というのもそうした「パワー」のお蔭なのだと思います。
ご本尊の前で般若心経をお唱えしながら、多くの方々がこうして御真言を唱えておられたのだと思いを馳せた一時でした。

洛陽観音霊場満願

6月になりました。若葉青葉の季節の到来です。


4月28日の本ブログ で、西国観音霊場の納経軸をご紹介いたしました。4月28日にご紹介した一幅は弊社先代の満願した観音様ですが、これとはまた別に仮巻が複数遺されておりました。折角、京都に住んでいるのだから、ということで、その仮巻の1つを用いて、先ずは「洛陽三十三所観音霊場」を巡りました。御朱印授与の箇所が38か所ありましたので、三十三の霊場に加えて、四天王寺東大寺二月堂延暦寺根本中堂延暦寺横川中堂元慶寺の5か所を巡りました。5月8日に第二番札所の誓願寺弊社の目の前のお寺です。)で発願し、6月3日に満願致しました。そして、本日満願證を頂戴いたしました。
【満願した納経軸】
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【満願證】
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最後に参拝したのが元慶寺です。
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新緑が美しい中で花山法皇の御宸影とご本尊の薬師如来様にお参り致しました。
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今回、洛陽三十三所観音霊場を巡礼して、たくさんの観音様にお目にかかりました。そして熱心に「念じて」居られる巡礼者の方々も垣間見ました。これまで長い間、数えきれないほどの人々の「念」を受けてこられた観音様のご加護を少し分けて頂き、弊社に関わる全ての方々に観音様のご加護があることを願っております。

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