3月 | 2019 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

飯室谷不動堂 八千枚大護摩供

春彼岸の真っ只中です。もうすぐ桜の季節ですね。
比叡山延暦寺は「三塔十六谷(さんとうじゅうろくだに)」で構成されています。比叡山全体がお寺なのですが、その中を3つの地域に分け、それを併せて「三塔」と呼んでいます。「三塔」とは東塔(とうとう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)のことを指しています。そして、東塔と西塔にはそれぞれ5つの谷が、横川には6つの谷があり、合計して「十六谷」となっています。以前ご紹介した明王堂は「東塔 無動寺谷」に属するお堂です。今回は「横川 飯室谷(いむろだに)」に属する飯室谷不動堂にお参りに行った模様をご紹介します。
3月17日から18日に掛けて、飯室谷不動堂では毎年「八千枚大護摩供」が行われています。これは飯室谷を実質的に開いた
慈忍和尚(じにんかしょう)[第19世天台座主 尋禅]の命日に合わせて行われているものです。今年は3月17日が偶然にも日曜日だった為、私も3月17日の慈忍講(慈忍和尚の祥月命日の法要)からお参りしました。天台声明は個人的にはゴスペルソングだと思って聞いていますが、特別な楽器が無いにもかかわらずとても美しいです。
【本堂】
飯室谷不動堂
そして慈忍講円成後にいよいよ八千枚大護摩供が始まりました。2日間、合計9座の護摩供養が行われました。私は初座と翌18日朝の第七座に参じました。初座円成後に大阿闍梨様が慈忍和尚の御廟についてご説教の中で少し触れられましたので、初座の後、慈忍和尚御廟にお参りに行きました。
【石垣】
石垣
本堂からこの石垣に囲まれた道を少し行くと慈忍和尚御廟がありました。
【慈忍和尚御廟】
慈忍和尚御廟1
巨木に囲まれて御廟はありました。何と表現して良いのか分かりませんが、霊気というか自然の力というのか、そういったものを感じました。
2日間に亘り9座の護摩供養をお勤めなさった大阿闍梨様は、1か月前から五穀と塩を断ってこの八千枚大護摩供に臨んでおられます。大変な行(ぎょう)でありますし、誠にありがたいことだと感じます。その大阿闍梨様直筆の御牘(おふだ)を賜りました。弊社の商売繁盛、社内安全、社員健康を御祈願下さっています。本当にありがとうございます。
【御牘】
御牘
4月を目前にして、新年度も弊社社員全員が無魔に過ごせるような気がした一週間でした。

モノの捉え方

本屋でぶらぶらする時間は結構好きなのですが、皆さんはどうでしょうか。
私自身も最近はインターネット通販で本を買うことが多くなりましたし、多くの方が電子書籍を利用しておられることと思います。本屋や図書館はどんどんと無くなっていくのだろうなぁ、と感じるのですが、そうはいっても私は本屋や図書館をぶらぶらする時間が好きです。未知の本に出合う事が多くあり、そういった本が私の人生を左右したこともありました。
先日、本屋で見つけた本が面白かったので、今回はその本を紹介しようと思います。
その本とは『対談 風の彼方へ』という本です。昨年末に出版されていました。
対談の内容を文字に起こして出版されているので、読み易い本です。対談者は著述家の執行草舟先生と横田南嶺老師様でした。全四部構成となっており、全体的に面白かったのですが、私自身は第4部「絶点を目指せ」を最も興味深く読みました。
その中の一部ですが、古今東西の時代を問わず、「戦争」というものについて語っておられます。「戦争」というと太平洋戦争を想起する方が多いと思いますが、言われてみれば小学校や中学校で習う日本の歴史はほとんどが「戦争の歴史」だったのです。
京都の寺社は、現在のものはほとんど徳川家康から徳川家光に掛けての時代に今の時代的に言えば「公共事業」として再建されたものです。こういった建物に接すると、お寺を政治権力が次々と建てたということは興味深いことだと思っていました。もちろん、出仕する各大名の力を削ぐ目的も徳川家にはあったのでしょう。
今回この本を読んで、「怨親平等(おんしんびょうどう)」という思想を紹介されていました。怨みと親しみが平等、同じという考え方です。この思想に基づけば、戦争は全てが悪ではなく全てが善ではないということになります。過去の事象を歴史として捉える私たちは、一般に戦争を悪のものと捉えています。勿論、これから戦争を起こそうとするのはいけないことです。しかし、「戦争」を過去のこととして捉える場合は、長所短所の両面をきちんと見なければならないのだということを学びました。
歴史について、いろいろな見方があり、時に論争になる話題ではありますが、いろいろな考え方を吸収する手段として読書は良いものだと感じた一週間でした。

9784393144268


対談 風の彼方へ :禅と武士道の生き方

著者:執行草舟=横田南嶺 
出版社:PHP研究所
発売日: 2018/12/1225
メディア: 単行本(ハードカバー)
参考URL:対談 風の彼方へ 禅と武士道の生き方/

 

鎌倉散策

梅が見ごろの洛陽です。
先週末、私は鎌倉散策を致しました。主たる目的は金運アップの「銭洗弁財天」をお詣りすることでした。
JR鎌倉駅で電車を降りて、銭洗弁財天宇賀福神社を目指しました。
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坂の途中に一の鳥居があり、洞窟を抜けて本殿に到達するという構造になっている神社です。
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本殿でお参りした後に、すぐ奥にある洞窟の中の奥宮前でお金を洗います。今回は手持ちが少なく、多額を洗うことができませんでした。洗ったお金は使わないといけないと言われているので、有縁の方に差し上げました。訪れてみて、自然に出来上がった洞窟の凄さを思い知りました。奥宮のある洞窟は水が湧き出してすごく神聖な感を受けます。
そのままJR鎌倉駅に戻っても良かったのですが、そのまま山の頂上まで登り、葛原岡神社をお詣りしました。こちらは縁結びの神様です。
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山の上から麓を望んでみました。雨なので霞んでいますね。
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そのまま山を下り、JR北鎌倉駅を目指しました。JR鎌倉駅から銭洗弁財天を経由してJR北鎌倉駅まで行くと私の足で約1時間かかりました。
電車の時間を確認して、JR北鎌倉駅のすぐ目の前の円覚寺にお参りしました。
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円覚寺の山号は「瑞鹿山」と言いますが、その由来となった白鹿洞を初めて見ました。円覚寺開山の無学祖元禅師が説法をした時に白鹿が集まってきたとの逸話に由来しています。鎌倉という土地は海が近いので、山が自然に削られてこうした構造が出来上がるのだと感心してしまいました。
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円覚寺山内の一番奥にある黄梅院という塔頭まで歩いて行きました。ここに居られる聖観音様に一度会ってみたかったのです。
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お優しい表情をされていて、何だか癒される感じがしました。
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時間としてはそれほど余裕を持って滞在したわけではないのですが、鎌倉という街は歴史のある、そして神仏の沢山鎮座される街なのだと感じた1日でした。

お焚き上げ~一年の御礼を込めて~

もう3月です。時がたつのが早いですね。
弊社では祈祷札やお守りをいろいろな寺社様から頂戴致します。お札などは玄関の高い位置に掲げてお祀りしております。そうしたお札は立春から節分までの1年間で頂戴したものを次の年になるとお焚き上げして頂きます。
今週月曜日の2月25日に京都の東に在る黒谷の金戒光明寺で「浄焚式(じょうぼんしき)」が行われました。そちらに私も伺いました。
【山門】
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こちらでは、御札やお守りだけではなく古いお仏壇などの大きな物もお焚き上げされておられます。
【お焚き上げの様子】
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お守りやお札など、ごみ箱にポイとは捨てられない物を供養して頂くのは大変ありがたいことだと思います。勿論、こういうものは気持ちの問題なので、ごみ箱にポイと捨てられる方も居られるとは思います。ただ、いろいろな神仏の念が入ったお札やお守り等をきちんと供養して頂くことは重要なことだと私は考えています。
昨年一年の無事の御礼も込めて、今週は浄焚式のご紹介をさせていただきます。

安田念珠店

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