12月 | 2018 | 春は花

安田念珠店 オフィシャルサイト

春は花

観音様~出逢いに感謝~

カレンダーを新しくする時期です。いよいよ年の瀬となりました。
本年は私自身が歩いてもしくは車や電車に乗って、いろいろな所へ行った年でした。きっかけは本年4月末に観音霊場の納経軸を発見したことでした。
まずは京都に住んでいるのだからと、洛陽三十三所観音霊場を巡りました。そして、西国観音霊場を巡り終えた私は百観音を目指して現在巡礼を続けています。
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8月にご紹介した納経軸は仏様となって先日、我が家にお迎えしました。
観音様は三十三の御姿に変化(へんげ)して私たちの身近に御出で下さると言われていますが、本年は観音様を通じて沢山の方々との出逢いがありました。恐らく私の人生の中で最も多くの方々と出逢い、お話しできた一年だったのではないかと思います。人と出逢い、話をすることで自分自身を見つめ直し、智慧を得ることができるのだと感じました。
本年も気の赴くままに綴ってきましたが、お付き合いいただいた皆様方に感謝しつつ、本年は筆を擱くことといたします。
よいお年をお迎えください。

「苦しみ」こそ光り輝いている

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毎年のことですが、どうも私は年末になると気が重くなります。何であっても「終わり」に近づくと寂しい気がするのです。
私は同世代の人々に比べると失敗が多かったと思います。人生の進路に関しても、あっちに行ったりこっちに行ったりすることが多くありました。生来の楽天家なので「何とかなるさ。」と思っているのですが、そういった性格でも落ち込むことは数多くありました。


今から4年前、2014年(平成26年)11月でした。初めて一人で老大師さまに相見することになりました。お話が終わってから「頑張りなさい。」と添えて下さり、お言葉を賜りました。
「古人曰 刻苦光明必盛大也」(こじんいわく こっくこうみょうかならずせいだいなり)
禅語集など解説本を読んで、出典や字義などを調べました。その時は「頑張れば花開く日が来るんだな。」程度に思っていました。
それから4年、私自身にはいろいろなことがありました。呑気に過ごしているようですが、それなりに「苦しい」と思うこともありました。
先日、その言葉の意味が何となく分かったような気がしました。「苦しみは将来の幸せのための準備だ」と思っていましたが、「苦しみを感じることこそ生きている幸せを感じることなのだ」なのだと。
「生老病死」という四つの苦しみがありますが、いやいや「生きていることは幸せ」なのだと思いました。苦しみを感じる、それこそ生きている証拠、生きていることは何て幸せなんだろうか。そういったことがこの言葉には込められているのではないだろうか、と思った次第です。
雑駁ですが、4年ほど経過して何となく意味を理解できるようになりました。いろいろな方々にいろいろなことを教えて頂くことは、生きていく上で大切なことだなと感じた1週間でした。

総持寺~包丁の道~

12月も半ばです。今週は一気に寒くなりました。
1週お休みしていましたが、今週から再開いたします。
石塔(総持寺)
私は阪急電車を頻繁に利用します。その沿線に「総持寺駅」という駅があります。幼い頃からお寺があることは認識していましたが、それ以上の認識はしていませんでした。西国巡礼を始めて、この「総持寺駅」が西国霊場の総持寺の最寄り駅だと分かりました。
【山門】
山門(総持寺)
【山門から本堂を】
山門から本堂を(総持寺)
さて、総持寺の起源は、藤原山蔭(ふじわらのやまかげ)という公家が助けた亀によって命を救われるという逸話で良く知られています。山蔭の父が亀を助けた日、山蔭が継母に川へ突き落されてしまいますが、その亀に乗って山蔭は帰って来る、というお話です。その日が18日、観音様の縁日だったので総持寺が建立されたと言われています。
【本堂全景】
本堂全景(総持寺)
藤原山蔭は大人になってから宮中で料理法の策定に関わったそうです。その中で包丁道を確立しました。魚(大抵の場合は鯛)を決まった所作に従って捌いていく儀式です。
【包丁塚】
包丁塚(総持寺)
包丁”道”というくらいですから、「礼に始まり礼に終わる」ものです。こうしていろいろなお寺をお参りし、色々な文化に触れると、日本の文化の意味づけが少しずつ分かってくるように思います。
華道は六角堂の如意輪観音さまへのお供えから始まったもの、茶道も神仏への献茶の為に確立されてきたもの、そして包丁道は天皇陛下への献上の為に確立されたものと考えることができます。
日本には「道」と付くものが沢山あります。ただ単に花を活ける、お茶を点てる、魚を捌くという行為だけではなく、そこに気持ち、心を込めなければならない、ということが「道」の根底にはあるのだと感じます。
【総持寺の御詠歌】
「おしなべて 老いも若きも 総持寺の 仏の誓ひ 頼まぬはなし」
御詠歌(総持寺)

善峯寺~要のお釈迦様~

早12月です。今年は秋が無く、夏からすぐに冬になった気がします。
寒さが厳しくなると、冷えて腰が痛くなる方も居られます。冷えは万病の基、お気を付けください。
昔からこうした腰痛や神経痛に悩まされた人が多くいました。そうした人々を癒したのも仏様でした。京都の西山の善峯寺が今回ご紹介するお寺です。
【山門】
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【本堂(観音堂)】
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山に建つ善峯寺は京都市内を一望できるポイントが各所にあります。
【鐘楼堂付近からの眺望】
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善峯寺は多くの親王が住職となった格式の高いお寺です。その寺域が広い、伽藍が立派であるなど、目を見張るところがありますが、西山からは京都と比叡山をまとめて見ることができます。どこかで変化が起きた場合や緊急時に天皇などが避難できるように整備されたのだろうと考えられます。昔から、京都の人々は何かが起きてもイエが存続するように離散しておいて、緊急時に備えていました。
【遊龍の松】
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善峯寺の見どころは「遊龍の松」でしょう。背丈は1mほどですが、とても大きく広がった松です。国の天然記念物に指定されています。恐らく人工的に作り上げられた形状なのでしょう。簡単に言うと「盆栽の大作」と言えると思います。
今回のお参りでは、観音堂よりも釈迦堂でのお勤めの方が何だか気持ちが良い気がしました。本堂は参拝者でにぎわっていましたが、少し登ったところにある釈迦堂は内陣でお参りができるにもかかわらず参拝者も少なく、仏様と近くでお参りすることができました。
【釈迦堂と西山】
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釈迦堂の裏では夏季(5月~10月)の第二日曜日に薬湯場が解放されます。昔から多くの参拝者が薬湯に浸かって腰痛や神経痛を癒していました。
【善峯寺の御詠歌】
「野をもすぎ 山路にむかふ 雨の空 善峯よりも 晴るる夕立」
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仏様に近いお参りをすると、薬湯に浸かったような何とも言えない気持ち良さを感じます。御詠歌にもあるように、雨が上がって観音様が良い方向にお導き下さるような気がします。普段の喧騒を少し離れて、心を洗う所業も大切だと思うお参りでした。

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