神仏と人を繋ぐ葵 | 春は花

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神仏と人を繋ぐ葵

5月もあっという間に終わりに近づきました。
5月というと、京都では葵祭が催されます。京都の風物詩ですね。
葵祭
なぜ「”葵”祭」というかといえば、賀茂別雷神社(上賀茂神社)と賀茂御祖神社(下鴨神社)の2つの神社の総称である「賀茂神社」の神紋が葵であるからとの理由です。
神話によると、遥か神代の昔に上賀茂神社の御祭神である賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)は、ご降臨を希った母神の玉依比売命(たまよりびめのみこと)の夢枕に立たれて、「葵を飾り、馬を走らせ、祭を行いなさい。」とのご神託を下されたそうです。そのお告げに従って神をお迎えする祭を行ったところ、賀茂別雷命がご降臨されたと伝わっています。それゆえ、「葵(あふひ)」は古くから神と人を繋ぐ草としてお祀りされているのです。
葵の御紋と言えば、徳川将軍家の「三ツ葉葵」が有名ですが、実は葵の寺紋を用いておられる寺院があるのです。それは信州の善光寺です。
【善光寺 山門】
善光寺1
【善光寺 本堂】
善光寺2
本堂の画像には門幕に立葵の寺紋が見て取れると思います。善光寺がこの立葵の寺紋を用いるのは、創建した本多氏(本田氏とも)が賀茂神社の社家一族だったからだと言われています。徳川家の祖である松平家も賀茂神社の社家一族だったため、葵紋を用いると言われています。
善光寺の御本尊は西暦642年に現在の地に遷座されたと伝わっています。神仏をお祀りする役目を担った社家の人々が神仏と人間とを「葵」でつなごうと考えられたのだろうと、私は想像しています。
葵祭は華やかな衣装に目が行きがちですが、神代から続く神と人とのつながりを現す儀式なのだと、葵祭の行列を垣間見て感じました。

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