お念珠とその袋 | 春は花

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お念珠とその袋

3月になりました。陽気が増してきましたね。


皆さんはいつも服を着ておられるかと思います。洋服が大半でしょうが、和服をお召しになる方も居られるでしょう。洋服であれ和服であれ、服はどんな人でも必ず着ている物です。
そういう前提で次のお話を読んでみたいと思います。
【原文】
僧、洞山に問う、如何なるか是れ佛、山云く、麻三斤まさんぎん
【現代語訳】
ある僧侶が洞山守初とうざんしゅしょ禅師に問いました。
「仏とは何ですか?」
洞山は答えました。
「麻が三斤」と。
(『碧巌録』第12則 本則より)
「仏とは何か」と問われて、なぜ“麻”なのか、なぜ“三”斤なのか。疑問に思う点は多いです。
いやいや、言葉の字面にとらわれてはいけません。麻は十斤でも百斤でも良いのです。または、「麻」とは麻糸のことではなく、胡麻のことです。――といった説明がされることがあります。
これに対して中国文学の専門家であった入矢義高先生は、言葉の本来の意味から考察し、「麻三斤」とは僧衣一着分を作ることのできる材料の単位であることを解き明かされました。そして、この問答は
問:仏とは何か。
答:衣一着分。
ということになると説明されています。
(入矢義高『増補 自己と超越』(岩波現代文庫、2012年)88〜94頁)
ここからどのように考えるかは各人次第です。(そこが一番難しいのですが。。。)
最も身近な物である服こそが仏である。身につけている服と、文字通り「一心同体」となれているのか!?—―このお話はこうしたことを言っているように私は考えています。
【お念珠とお念珠袋】
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以前このブログで、お念珠がお守りになる旨のお話を致しました。神社などで授与されるお守りは祈祷されたお札が布製の袋に入っているのが一般的です。大事なご神体を保護するためにそうした工夫が為されています。
お念珠も実は同じなのです。お念珠袋はお守りである皆様それぞれのお念珠を保護する役割があるのです。
そして、上記のお話から考えれば、お念珠とお念珠袋は「一心同体」であると思うのです。お念珠そのものを大事にして頂きたいのが弊社の何よりの願いです。お念珠を大切にして頂くためには皆様が服を着るのと同じように、お念珠を保護するものが大事なのだと感じます。
念珠と身近に接している者として、どんなお念珠であっても大切にして頂きたい。本日はこうした私の願いをお話しさせて頂きました。

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