秋が深まりを見せています。

京都市から北西に亀岡市があります。亀岡市に在るのが穴太寺(あなおじ)です。
【山門】

穴太寺の本尊様は逸話があります。宇治宮成(うじのみやなり)というお侍さんがいました。宇治宮成の奥さんはとても信心が厚く、京の都から仏師・眼清(がんせい)を招いて聖観音像を彫ってもらいました。宇治宮成の妻は眼清へ御礼の印として白馬を与えたそうです。宇治宮成はその白馬が惜しくなり、先回りして白馬に乗った眼清を矢で射てしまいました。戻ってきた宇治宮成は眼清が彫った聖観音像に矢が刺さり、血が流れているのを目にします。観音様は眼清の身代わりになったのです。宇治宮成はその一件で改心して仏門に入ったそうです。
【本堂】

【多宝塔】

そして、穴太寺には「安寿と厨子王」で有名な厨子王がかくまわれたお寺です。
【穴太寺の御詠歌】
「かかる世に 生まれあふ身の あな憂やと 思はで頼め 十声一声
」

長閑な田園地域に佇む穴太寺は御詠歌の通り、こんな苦しみの多い世の中に生まれたことを憂えずに、観音様に思いを聞いてもらって、私たちの苦しみ悩みを矢傷の如く観音様に受けて頂きたいと感じるお寺でした。
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