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「足下(あしもと)を見つめ直す」

看脚下(図解)看脚下

 弊社の本店営業部の玄関には右のような表札が掛かっています。

 ごうして下さった方(字を書いて下さった方)は、妙心寺の管長を務めておられた松山まつやまばんみつ老大師ろうたいし様(室号:ずいうんけん(1908年-1990年)です。「看脚下」はそのまま漢語読みで「カンキャッカ」と読むこともありますが、読み下して「脚下をよ」とも読みます。禅宗のお寺などでこの「看脚下」や「脚下照顧きゃっかしょうこ」もしくは「照顧脚下」という言葉を目にされた方も多いかもしれません。「看脚下」は、禅の教えとして深い意味がある言葉ですが、我々は「履物を揃えましょう。」という標語的な意味合いを持って用いさせていただいております。

 では、なぜ弊社が「履物を揃えましょう。」と書いた表札を玄関に掛けていないのでしょうか。「履物を揃えましょう。」と書いた表札の方が分かり易いですよね。

 この「看脚下」という言葉には、「履物を揃えましょう。」という標語的な意味合いだけでなく、「自己の足下を見つめ直しましょう。」という意味合いもあります。何事も基礎・基本・基盤が大切であるということを教えてくれているのです。

念珠は祈りの道具です。人の心と深く関わる商品です。利益ばかりを追求し、念珠が祈りの道具であるという基本を忘れてしまってはいけない。こうした大切なことを忘れないために、弊社では日々「看脚下」を目にしております。