見えないけれど祈っておられる | 春は花

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見えないけれど祈っておられる

日に日に恐怖心が強くなる今日この頃です。大変な時代を我々は経験しています。
更新をしばらくお休みして申し訳ございませんでした。自宅にいるものの、それでもやるべき事は沢山あり、疎かになってしまいました。
京都の祇園祭の山鉾巡行が中止というニュースに接しました。祇園祭は「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」という名称で古くは呼ばれていました。名前の通り、「御霊」つまり「疫病をもたらす神や疫病による死者の怨霊」を鎮めるために始まったお祭りです。「このような時期だからこそ」という思いはありましたが、やはり感染拡大防止のためには致し方無い判断だったと首肯いたします。
御霊を鎮めるという意味では、比叡山延暦寺が京都に住む者にとって極めて大きな意味を持つ寺院です。「鬼門(艮:丑寅)」の方位は鬼(魔)の出入りする方位と昔から考えられており、その鬼が都に入ってこないように平安京の東北に比叡山延暦寺はあります。
比叡山延暦寺は「鎮護国家(ちんごこっか)」、つまり「国家を守護すること」を大きな目的として長年存立してきました。延暦寺が所領を得ていたのも安定した財源を確保し、それによって「祈り」に集中することが当初の目的でした。ただ、「祈り」に集中せずに武器などを持って「僧兵」となった者もおりました。そして所領を有していたことで時の為政者に反発・抵抗することが頻繁にありました。織田信長の比叡山焼き討ちというのも、こうした反発・抵抗に対する報復措置だったと私は捉えています。
鎮護国家
現在では、比叡山延暦寺において日々僧侶の方々は「鎮護国家」を祈っておられます。特に、千日回峰行を満行された大阿闍梨様たちは比叡山から京都に向かってお祈りを捧げて下さっておられます。回峰の道にある「玉体杉(ぎょくたいすぎ)」という杉は唯一腰掛けることが許された場所として有名です。ここからは京都を一望でき、京都に向かってお参りするには最適な場所だと思います。
玉体杉
しばらくの期間は拝観停止の為、私自身がお参りに伺うことはできそうにありません。しかしながら、私たちが見えない所であっても比叡山の僧侶の方々は日々「鎮護国家」、現在の場合ですと「コロナウイルスの早期終息」を強く念じてお祈りしてくださっておられます。こうしたことに感謝をしながら、私は毎日比叡山に手を合わせております。
何とかこの「見えない敵」を退散させるべく、場所は離れていても皆様で心を一つに念じていきたいと感じております。皆様のご健康が安らかであることを祈っております。

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