南都の観音様~南円堂と二月堂~ | 春は花

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南都の観音様~南円堂と二月堂~

秋も深まってきました。
京都(平安京)に対して南にある奈良の旧都・平城京をかつて「南都」と呼びました。現在の奈良市を中心とした地域です。かつては政治経済の中心地でしたので、もちろん仏様がおいでになります。
近鉄奈良駅から徒歩5分ほどで到着するのが西国第九番札所の興福寺南円堂です。
【興福寺南円堂】
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南円堂の御本尊は不空羂索観音さまです。西国の札所で不空羂索観音さまが御本尊なのはこちらだけです。南円堂は藤原氏の元祖春日明神を祀った春日大社の傍らに、藤原冬嗣が子孫繫栄の為に建てたことが始まりと言われています。こうした経緯から、南円堂は興福寺の中にありながらも、明治の廃仏毀釈に遭うことがありませんでした。現在の南円堂は江戸時代の寛保元年(1741年)に建てられたものです。興福寺は明治期の廃仏毀釈で大きな打撃を受けたお寺です。時代の流れの中で歴史的な建造物が沢山壊され、仏像なども多くが海外へ流出しました。
【興福寺中金堂】
興福寺中金堂
興福寺の本堂である中金堂は2018年10月、300年ぶりに再建されました。創建1300年の興福寺は本堂を焼失したまま300年もの間を過ごしていたのです。これは歴史的なことであると思います。
【興福寺五重塔】
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歴史を知りつつお参りをすると、現在こうして仏様にお目に掛かれるのは先人たちの努力の賜物なのだとつくづく感じます。
【興福寺南円堂の御詠歌】
「春の日は 南円堂に かがやきて 三笠の山に 晴るるうす雲」
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南円堂を遠くから見ると御詠歌を詠われた花山法皇の気持ちがしみじみと分かります。もちろん今は「秋の日は」なのですが。
【興福寺南円堂を望む】
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さて、南円堂から徒歩10分程度で東大寺の二月堂に到達します。道中には東大寺大仏殿を見ることができます。
【東大寺大仏殿】
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東大寺二月堂は十一面観音様をご本尊とするお堂です。
【東大寺二月堂】
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修二会の映像を観たことがある方も多いと思います。
【修二会の様子(朝日新聞社)】
こちらは内陣に上がってお参りすることができます。
【東大寺二月堂からの眺め】
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奈良の景色を一望できる二月堂から、観音様は皆の安寧を願っておられるのだと感じます。
【東大寺二月堂の御詠歌】
「ありがたや ふしぎは一か二月堂 若狭の水を むかへたもふぞ 」
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南都では実に心地よい風を感じ、歴史を垣間見るお参りでした。

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