解釈 | 春は花

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解釈

近年は小学校で英語を習うそうですが、私が英語を習ったのは中学校からでした。「英語→日本語」と「日本語→英語」の訳文が作れるようになることが学習の目標だったと思うのですが、英語を習い始めた当初から「解釈」という言葉に何か不思議な感覚を抱いていました。
夏目漱石の有名な小説に『吾輩は猫である』があります。この題名を英語に訳すと「I am a cat.」です。ですが、「I am a cat.」を日本語に訳す場合、例えばテストの解答用紙に「吾輩は猫である。」と書く人は少ないでしょう。私は中学校1年生の時にこの疑問を抱いて、勝手に「“吾輩は猫である”問題」として中学校で語っていました。この問題は、日本語と英語の構造の違いが要因ですが、私は「(英文)解釈」とは単なる訳文を作るだけでなく、読み手に分かり易い表現を使うべきなのだと学びました。
日本では、英文だけでなく古くから漢文が読まれてきました。漢文も英語と同じくS(主語)→V(動詞)を基本形にした文法をとります。経典に代表される仏教に関する文章はその多くが漢文で書かれており、英文と同じく解釈が必要になります。ですから、その語を見て即座に意味を理解できる人はそれほど多くないと思います。
「解釈」というのは地道な作業で、何か分かり易く解説してくれる書籍はないものかと思っていました。そこに最近、何とも分かり易い書籍が出版されました。『茶席からひろがる漢詩の世界』という本です。この書籍は単なる日本語の訳文だけでなく、1つ1つの単語やその背景知識を丹念に解説してくれています。その解説方法も、先生と生徒役の女の子がいろいろとやり取りをする形で展開されています。「漢文解釈」を分かるように示してくれる良書だと感じました。
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弊社には、上の画像の香語(法要の要となる精神を漢文調にまとめたもの)を掲げてあります。

【原文】
甘露雨潨蒼翆中
念珠結絆白玲瓏
年年等接温和手
綿密家風老舗隆
 安田念珠店主人いわく
 手のひらから伝わる素敵なぬくもり
 平成廿四年梅雨 花園太聳たいしょう 山人

【絶句の部分の現代語訳】
恵みの雨は樹木が青々と茂っている中に集まり、
念珠は美しく照り輝く絆を結んでくれる。
それは、長い年月、温かな手にいつも接しているとそうなるのだ。
そして、綿密な家風が老舗を盛んにさせる。

揮毫して下さったのは、京都・花園妙心寺塔頭・霊雲院住職の曇華室どんげしつ 則竹秀南老師様です。弊社はこの偈にある通り、お念珠に対して一生懸命、そして緻密に向き合って参り、今後も向き合っていく所存です
次回以降は、宗派毎の念珠の形について、私なりの「解釈」を提示していきたいと考えています。

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茶席からひろがる漢詩の世界

著者:諸田龍美 
出版社:淡交社
発売日: 2017/09/13
メディア: 単行本(ソフトカバー)
参考URL:茶席からひろがる漢詩の世界
(淡交社)

 

※このブログは、多くの方々に念珠、仏教、京都に関心を持って頂くことを目的として、週に1回程度の頻度で更新して参ります。

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