8月が終わりました。長かった残暑も終わりに近づいたようです。
さて、私は先日、奈良の橿原神宮を参拝しました。京都からですと近鉄に乗って約1時間ほどで到着します。
橿原神宮は神武天皇を御祭神としてお祀りしている神社です。神武天皇は男性ですので、神殿の屋根が下の写真のようになっています。
神武天皇とは初代の天皇です。神話である『古事記』〔中巻〕に登場します。
話の要点としては次の通りです。神武天皇は現在の宮崎県高千穂町から瀬戸内海を通って一度大阪へと到着されました。大阪で戦いに敗れ、和歌山沖を沿って熊野に到着、そこから西に向けて再度大阪方面を目指し、現在の橿原神宮の鎮座する場所に都を造られた、というお話しです。
ここで、「大阪で一旦敗退、熊野から西へ向かって進撃」という部分、実はこのお話の中でかなり大事な部分です。というのも、九州から大阪へという「西→東」の方角は「日の昇る東に向かって」行く方角です。神武天皇は天照大御神 (太陽の神様)の子孫なので、太陽を背にして戦う、つまり後光が差すように敵と戦うことが大事なのです。このため、神武天皇は一旦熊野へ回り、「東→西」の方角へ進撃をしたのです。
この神話を踏まえて、いろいろな神社を巡ってみると、多くの神社、特に「神宮」と付く神社はそのほとんどが東向きか南向き(太陽の方角)であることが分かります。
「日本」という国の名前も、諸説ありますが、聖徳太子が隋(当時の中国の王朝)の煬帝 への手紙で「日出処の天子、書を没する処の天子に致す。」と書いたことが起源と言われています。昔の人々にとって太陽というのがとても大切なものであったのだということがこうした諸事情から推察できます。
方角に注目して神社やお寺を参拝してみると、また別の発見があるかもしれません。今日は神社と方角についてのお話でした。
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