お茶の効用 | 春は花

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お茶の効用

皆さんは毎日のお食事の時に何を飲んでおられますか?いろいろな飲み物がありますが、やはり「お茶」が一般的な飲み物だと思います。煎茶にほうじ茶、抹茶や紅茶など、お茶にも様々な種類があります。
今年の5月に摘み取られた新茶を先日、私も頂戴しました。
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お茶は今では一般的な飲み物となっていますが、いつごろから飲まれるようになったのでしょうか?
天平17年(745年)、聖武天皇の時代に東大寺で大般若経を読んだ僧侶たちにお茶が与えられたという記録がありますから、奈良時代にはお茶は日本にあったようです。(立花實山『壺中爐談』)ただ、お茶が本格的に飲まれるようになったのは鎌倉時代のことです。そのきっかけとなったのは、千光国師・栄西禅師が中国(宋)からお茶の種を持ち帰って栽培を始めたこととされています。
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栄西禅師は『喫茶養生記』というお茶を飲むことの効用を説いた書物を遺されています。『喫茶養生記』は次の文言から始まります。
「茶は養生の仙薬であり、人の寿命を延ばす妙術を具えたものである。」
(右の画像の書は、この言葉を京都・東山建仁寺管長・小堀泰巖老大師様がご揮毫なさり、千眞工藝謹製の「2017年 日本の心 墨蹟日暦」に掲載されたものです。)
お茶を飲むことは健康によく、寿命を延ばしてくれる効果がある。こう書かれているのを読むと、日本人はお茶を飲むので長寿なのかもしれないとも思います。
『喫茶養生記』を読むと飲茶の効用がいろいろと書かれています。私は学ぶことがたくさんありましたが、ここに1つ付け加えたい効用があります。「ホッとする」という効用です(笑)
現在様々な健康法が氾濫していますが、お茶を普段から飲むことで病を予防できるのは、落ち着く、つまり「ホッとする」時間を持てる効果があるからではないかと思います。忙しい毎日の中でホッとする時間を持つ余裕。新茶の季節にこうした時間の大切さを感じました。

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栄西 喫茶養生記

全訳注者:古田紹欽 
出版社:講談社
発売日: 2000/09/10
メディア: 文庫本
参考URL:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061594456
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