神様の使い | 春は花

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神様の使い

街を歩いておりますと、犬を散歩しておられる方に遭遇することがあります。先日、私は緑の豊かな土地へ赴きましたが、そこで牛や豚などいろいろな動物を間近に見ることができました。この世は、人と動物とが共生しているのですね。
先週ご紹介した神使(しんし)という概念は、これまでの本ブログの中でも既に登場しておりました。先週の宮島・厳島神社における「鹿」、そして伏見稲荷大社における「狐」です。
「神使」という名の通り、神様の使者ですからこれは神道の概念です。しかしながら、仏教寺院の中に神使が居るお寺様がございます。それは、奈良県の生駒にあります信貴山(しぎさん)の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)です。
昨年最後の本ブログの記事で、仏教が日本に伝来した当初排斥された例として、聖徳太子が皇子の時代に起きた蘇我氏物部氏争いをご紹介しましたが、信貴山は、伝承によると、寅の年、寅の日、寅の刻に四天王の一である毘沙門天が聖徳太子の前に現れた場であり、毘沙門天の加護によって物部氏に勝利したため、戦いの後に毘沙門天を本尊に聖徳太子がお寺を開基したと言われています。朝護孫子寺様のご本尊はそれ故に毘沙門天様です。
この「寅の年、寅の日、寅の刻」というのは、以前ご紹介した年・月・日・時間の十二支のことです。例えば、本日2017年3月28日は酉の年、卯の月、寅の日です。(今回の記事は寅の日に合わせて更新したかったのです!)
こういった経緯から、朝護孫子寺様では仏教寺院ではあるものの寅が守り神として祀られています。
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日本の神話だけでなく、ギリシア神話でも動物が神の意思を伝えることは多々ありますが、仏教寺院での神使は非常に珍しい存在です。これが日本古来の「暦(こよみ)」(十干十二支を年・月・日・時間に組み込んだもの。このすべての組み合わせが一周する〔かえ る〕ことを還暦といいます。)に由来するものであるというのは、仏教がその伝来当初から日本の文化と密接に関わっていた証左ではないでしょうか?
今回は、神使と干支の関係について考えてみました。

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