クリスマスが終わり、間もなく新年を迎えます。クリスマスツリーから門松へと街の装いが急激に変化するこの1週間は「日本らしさ」を象徴する1週間ではないでしょうか?
カレーライスにナポリタンそれにラーメン、洋食や中華として一般的なこうした食べ物は実は日本で生み出されたものです。インド・カレーやパスタなどといった基礎となる料理は当然海外から日本に入ってきたものですが、それを日本人の舌に合わせて作り出したのがこうした食べ物なのです。
仏教もキリスト教も、日本で生まれた宗教ではありません。それぞれ、海や陸の道を通って伝わってきました。
仏教やキリスト教が入ってきた当初はそれぞれ排斥されました。仏教を巡っては聖徳太子が皇子の時代に起きた蘇我氏と物部氏の争い、キリスト教を巡っては江戸幕府によって行われた踏み絵にそれぞれ象徴されます。その後、時間を掛けて仏教やキリスト教は日本文化に適した形に変容し、受容されたのです。それは決して熱心な信仰を強制するものではなく、カレーライスやナポリタンを食べるように、時折接するという姿勢です。まさにクリスマスがその好例です。
日本はこうした「フィッティング能力(社会に適した形に変容させ受容する)」に長けていると言えます。その基礎となっているのが、「八百万神」の思想なのだと私は考えています。どこにでもあらゆるところに神が宿る、この考え方が様々な宗教を受容した理由なのではないでしょうか?
新年を迎えて初詣に向かわれる方も多いと思います。神社で柏手を打つ時、その心は仏様を拝む心と同じであると気付いて頂ければ幸いです。
皆様、良いお年をお迎え下さい。