「十代目の部屋」コラム15 ‐ 天和3年(1683年)創業の安田念珠店

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第15回 あるダブルの洞察
「ダブル」という言葉をご存じでしょうか。本来の意味は 二重、二倍という意味なのですが、ここでは普通私たちが「ハーフ(half-blood 混血児)」と呼ぶ、国籍の違う夫婦の間に生まれた子供たちのことを指します。彼らの間ではこの呼び方が一般的になっているそうです。つまり、二つの国の文化を生まれながらにして併せ持つという意味だと思います。

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先日、私は父がスイス人建築家、母が京都市出身の日本人女性というダブルのスイス人女子学生のスピーチを聴く機会がありました。彼女はスイスの大学に在学中で、その時京都の伝統建築専門の工務店に大学のインターシップ制度で半年間働いていました。

彼女の働いていた工務店は、京都の桂離宮の改修や、数々の日本の国宝級の伝統建築の改修で非常に高名な工務店でした。この工務店をインターシップ先に選んだこと自体、彼女の身体を半分流れている日本人の血がなせる業かもしれません。彼女は仕事で度々伝統建築の茶室に入ることがあったらしいのです。その時の感激を熱く語っていました。

「茶室に一人座り、その狭い空間を眺めていると、なんと素晴らしい建築だろう。世界中探しても他にこれだけの建築はないだろう。そこには日本文化のすべてが詰まっているようですごさを感じる。そして、この茶室を作った人々には、今日世界中の人々が共通して持っているだろう経済観念と時間感覚とは全く次元の違ったものを持っていたのだろうと思える。」 と。

私はこのダブルのスイス人女子大生の話を聴いた時、今まで絶えず探し求めていてなかなか見つからなかったものが、不意に物陰から姿を現した様な感覚を得ました。それは、現代に生きるほとんどの人たちが持っている経済観念と時間感覚が指し示す人類文明の方向性というかベクトルが一つではなく、また違った方向性(ベクトル)が存在する可能性を彼女の洞察は見抜いているのではないかと感じさせるものでした。

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