「十代目の部屋」コラム3 ‐ 天和3年(1683年)創業の安田念珠店

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第3回 わがこころのふるさとについて
京都に臨済宗の大本山「妙心寺」があります。この大本山の何代か前の管長に山田無文老師がおられました。かつてのフランス大統領ミッテランが来日の際に老師を訪ねたことでも知られている、日本を代表する禅僧でした。平成元年に老師が亡くなられた際、故人を偲んで出版された本が「わがこころのふるさと」です。その中にこんな文章があるのです。

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そのころ本郷の弥生町に、河口慧海老師が雪山精舎(せっせんしょうじゃ)を結んで、シャテデーバの『入菩薩行』というものの翻訳を講義しておられ、わたくしは友人に誘われてその会に参加した。わら半紙に謄写されたテキストだったが、その中にこういう言葉があったのである。

「この地球を全部牛の皮で覆うならば、自由にどこへでも跣足(はだし)で歩ける。が、それは不可能である。しかし自分の足に七寸の靴をはけば、世界中を皮で覆うたと同じことである。この世界を理想の天国にすることは、おそらく不可能である。しかし自分の心に菩提心をおこすならば、すなわち人類のために自己のすべてを捧げることを誓うならば、世界は直ちに天国になったにひとしい」

 というのである。わたくしはどんなに感激してこの一文を読んだであろうか。この言葉こそ、わたくしの心に第二の転機をあたえたものであった。

(『わが精神の故郷』40頁、41頁(山田無文著)禅文化研究所刊 )

私達人間はややもすると自分の弱さを周りの環境のせいにしがちです。しかし、今、この文章を目の前に冷静に考えてみると、何事も自分の心の持ち様次第であるし、また、ものは考え様で違った発想に巡り会えることに気付きます。柔軟な姿勢で物事を捉え、どんな境遇におかれようとも常に根本の信念を失わない。そういった仏教的な心の豊かさをこの文章から汲み取れるのではないでしょうか。今の世の中においてこの一文は、珠玉の輝きを放っているように思えます。

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